ご挨拶
第16回日本意識障害学会 会長
財団法人広南会 広南病院 院長 藤原 悟
この度、第16回日本意識障害学会総会を開催させていただくことになりました。大変光栄に存じますとともに、責任の重さを痛感しております。会期は2007年8月5日(日)と6日(月)、開催地は第5回と同じ仙台市です。
本学会の設立は1992年で、意識障害の病態解明と治療法の開拓を目的としています。医師に限らず、看護師や理学療法士などのすべての医療職と、国・行政・報道関係者、さらには患者とその家族による各種団体も参加できるユニークな学会として、会員数も年々増え続け発展してきました。さまざまな脳疾患による意識障害、とくに医療の陰の部分ともいわれる遷延性意識障害を対象とし、これらの病態解明や、診断・治療・看護に関する新手法の開発、社会的問題の解決や支援策等など、きわめて広い分野の研究発表が積み重ねられてきました。
本学会では、意識障害というひとつのテーマに向って会員一同が切磋琢磨することができます。医療・行政・報道・家族の情報交換の場ともなっております。また本学会は、意識障害に苦しみ社会から遠ざけられつつあった多くの患者さんに光を与え、精神的・肉体的・経済的負担に悩むその家族の方々の支えにもなるなど、社会的に大いに貢献してきた学会であると考えます。この度、第16回学会総会を迎えるにあたり、現在までの到達点を踏まえ、今後目指すべき方向を、医療側・行政側・報道側・患者家族側等の多方向の視点から検討できればと考えております。
予定しているプログラムの中から、医学的なテーマに関しご紹介します。まず、意識・覚醒・睡眠のメカニズムに関する基礎研究の講演を企画しましたが、これは本学会の原点に立ち返ることを意図したものです。次に、脳および脊髄神経の再生医療に関する教育講演を企画しました。最近特に進歩が著しい分野であり、第一線の研究者をお呼びしています。また、高次脳機能障害に深く関わってきた先生をお呼びして、基礎的・臨床的病態と支援策等についてもご講演いただく予定です。さらに、褥創治療は在宅医療や看護の面で特に問題となっていますが、創傷治療に関する新しい概念を開拓された先生をお呼びしましたので、すぐに役立つ知識を伝授していただけると考えております。
次に、社会的問題を扱ったプログラムをご紹介します。現在、国の財政事情等から遷延性意識障害者の専用施設の建設等の道はまだまだ険しいと考えられています。そこで遷延性意識障害者の「在宅医療」のあるべき姿や支援策の参考になればと、宮城県で熱心に行われております「神経難病医療ネットワーク」について、専門医師・相談員等をお招きしてご紹介する予定です。医療側のみならず、政治にかかわる方々や現場家族の方々のご意見を拝聴し、可能なかぎり多くの方々のご協力によるネットワークを構築した上で、「在宅医療」を具体化できればと考えております。また、わが国に4施設(千葉、東北、岡山、岐阜)ある療護センターの各々から、現況や治療成績等のご発表を頂戴します。療護センターの設置者である独立行政法人自動車事故対策機構の代表者からも、自動車事故被害者の現況や統計、そして機構の業務紹介等をいただく予定です。
今回、やや変則的な会期にて皆様を盛夏の仙台にお招きする理由は、8月6〜8日の東北三大祭「仙台七夕」をご覧いただくためです。七夕後半は日本脳神経外科学会の専門医試験に近づくため、学会期日は七夕の前夜祭(5日)と初日(6日)に設定しました。
また、せっかくのご来仙ですので、学会終了後の8月7日に日本三景のひとつである松島への観光も企画しました。参加数に制限(150名程度)はありますが、夏休み感覚でご参加いただければと思います。
それでは多数演題をお寄せいただき、学会総会にご参加くださいますようお願い申し上げます。
2007年1月吉日